身体にズシンと響く大太鼓。
「ラッセーラ、ラッセーラ」と沿道に広がる掛け声。
そして、暗くなった街の中を光りながら進み、目の前で大きく回転するねぶた。
2025年8月、青森ねぶた祭と五所川原立佞武多を巡りました。
このとき、私は4月から東北のホテルで働いていました。当初は夏まで滞在する予定ではなかったものの、東北にいるからには青森ねぶた祭を見ておきたい。その思いもあり、ホテルで働く期間を延長しました。
ねぶた祭を見ることは、東北に残ると決めた理由の一つだったのです。
そして迎えた8月5日。勤務先から3日間の休みをもらい、青森市の夜ねぶた、五所川原の立佞武多、最終日の昼ねぶたを巡る旅へ出発しました。
先に結論を言うと、一度だけ見るなら、私が選ぶのは夜の青森ねぶたです。
ただ、高さ約23メートルの立佞武多や、青森の日本酒と海の幸まで含めた3日間は、夜ねぶただけでは終わらない濃い旅になりました。
8月5日|審査最終日の青森ねぶた祭へ
青森ねぶた祭では、8月2日から5日まで審査が行われます。
私が訪れた8月5日は、その審査最終日でした。
東北で一緒に働いていた、ねぶたに詳しい同僚からも「見るなら5日がいい」と聞いていました。審査の締めくくりとなる日で、跳人や囃子方のボルテージも高まるそうです。
数か月待って、ようやく迎えたねぶた祭。
昼ごろ、車で青森市へ向かいました。
出陣前のねぶたが並ぶラッセランド
青森市に着いたのは、まだ明るい時間帯でした。
祭りが始まる前のねぶたは、ラッセランドと呼ばれるねぶた小屋の周辺に並んでおり、出陣前の姿を間近から見ることができます。



以前、展示施設で実物のねぶたを見たことがあったので、その大きさ自体は知っていました。
それでも、何台もの大型ねぶたが一堂に並ぶ光景は別物です。
「これが全部、夜になったら動くのか」
そう考えるだけで、期待が膨らんでいきました。
どのねぶたも迫力があり、とにかく格好いい。企業や市民団体ごとに題材や表情が異なり、同じものは一つとしてありません。
会場にはすでに多くの人が集まり、外国人観光客の姿も目立ちました。まだ出陣前なのに、街全体が少しずつ祭りの空気へ変わっていくようでした。
女性初のねぶた師・北村麻子さんとの出会い
ねぶたを順番に見ながら歩いていると、女性初のねぶた師として知られる北村麻子さんの期間限定物販ブースを見つけました。
驚いたことに、北村麻子さん本人もいらっしゃいます。
父は以前から「一度、ねぶた祭に行ってみたい」と話していました。しかし、体調を考えると、これから実際に青森まで来るのは難しいかもしれません。
せめてお土産だけでもと思い、Tシャツにサインをいただいて父へ贈ることにしました。
ブースでは、北村さんが過去に制作したねぶた作品を題材にした、小さなプリント作品も3枚ほど購入。一緒に写真も撮ってもらいましたが、その写真は少し恥ずかしいので、この記事には載せません。同世代くらいの方なんですけどね。
後日、期間限定で開設された公式オンラインショップでは、もう少し大きなサイズのシリアルナンバー入りサイン作品を2点購入しました。
現在は一枚を自分の部屋に飾り、もう一枚は父に贈っています。
実際に本人と会い、作品を手にしたこともあり、その夜の運行では自然と北村さんのねぶたを探していました。
北村麻子さんが2025年に制作した、あおもり市民ねぶた実行委員会の「役小角」は、商工会議所会頭賞を受賞。北村さん自身も優秀制作者賞に選ばれています。

日本酒と煮干しラーメンで、祭りの開始を待つ
夜の運行が始まるまでは、まだ時間があります。
会場近くでは、桃川酒造の「辛口ねぶた」が無料で振る舞われていたので、ありがたく2杯ほどいただきました。

その後は青森駅へ移動し、駅構内にある「龍麺」で煮干しラーメンを一杯。
駅の中にある店だったので、それほど期待していなかったのですが、まずまずのおいしさでした。この頃の私は、東北で何度も煮干しラーメンを食べ、すっかりはまり始めています。

駅前広場にも飲食ブースが並んでいました。
ねぶた限定ラベルの「七力」という日本酒を飲み、ホタテを使ったつまみや、北海道から出店していたエゾ鹿の串焼きもいただきます。
お酒の細かな味よりも、祭り前の青森で日本酒を飲み、屋台を回りながら暗くなるのを待った時間の方が印象に残っています。

ねぶた期間限定で泊まれた、あおもり健康ランド
この日の宿は、あおもり健康ランドでした。
普段は宿泊施設として営業していなかったそうですが、ねぶた期間中は予約制で宿泊を受け入れていました。
祭り期間中の青森市内は、ホテル代がかなり高くなります。少なくとも、私にとって気軽に払える金額ではありません。
そのなかで、あおもり健康ランドは1泊約6,000円。祭りを最後まで見たあとに寝る場所を確保できるだけでも、ありがたい存在でした。
あおもり健康ランドは、その後の2026年3月1日に閉館しています。
結果的に、閉館前年のねぶた祭で一泊できたことになりました。今振り返ると、あのとき泊まっておいて本当によかったと思います。
ねぶたより先に、音がやってきた
夕方になり、いよいよ夜の運行が始まります。
最初に驚いたのは、ねぶたの姿ではありません。
音でした。
大太鼓の音が、身体の奥までズシンと響きます。

先頭では、ミスねぶたの方々がオープンカーに乗って華やかに登場。その後ろには巨大な太鼓が続きます。
太鼓の上で大きくバチを振る人たちの姿も格好いい。
昼間から何時間も待っていましたが、この音を聞いた瞬間、一気に気持ちが高ぶりました。
有料席ではなく、立ち見を選んだ理由
最初は、有料観覧席のチケットを買おうかとも考えていました。
しかし、ねぶたに詳しい職場の同僚から、
「座って一か所から見るより、立ち見でねぶたと一緒に移動した方が、祭りの雰囲気を感じられる」
と教えてもらい、今回はチケットを購入しませんでした。
実際には沿道の人だかりの中で立って見ながら、ねぶたの動きに合わせて少しずつ場所を移動しました。
当時は、途中に空いている席があれば無料で座れる場所もあり、疲れたときには腰を下ろして見ることもできました。立ち見と座り見の両方を楽しめたことになります。
足腰や体調に不安がなければ、一か所に固定されず、ねぶたと一緒に移動しながら見るのも面白いと思います。
角度を変えながら見られるので、同じねぶたでも表情が違って見えました。
お酒を片手に歩きながら追いかけるのも、私には合っていたようです。
「ラッセーラ」の掛け声と跳人の熱気
「ラッセーラ、ラッセーラ」
沿道に響く掛け声も、テレビで聞くものとは迫力が違います。
跳人たちは声を張り上げ、激しく跳ね続けていました。8月5日は審査最終日ということもあり、全体のボルテージも高かったのでしょう。

見ているだけの私まで、自然と気持ちが高ぶってきます。
青森ねぶた祭では、正式な跳人衣装を着れば、一般の観光客も団体への所属や事前登録なしで参加できます。
見るだけでは物足りない人は、跳人として参加してみるのも面白そうです。
私は、そこまでしなくても見る側で十分楽しめましたけどね。
目の前で回転するねぶたは、巨大なアトラクション

待ちに待った大型ねぶたが、大通りを進んできます。
展示施設で止まっているねぶたも迫力がありますが、実際に動いている姿はまったく違いました。
薄暗くなった街で内部の明かりが灯ると、昼間よりも輪郭や立体感が際立ちます。巨大な人物や龍が、暗闇の中から浮かび上がってくるようです。
さらに、ねぶたは沿道のすぐ近くまで進み、目の前で大きく回転します。
そのたびに、周囲から一斉に「おおっ」と声が上がりました。
祭りを眺めているというよりも、巨大なアトラクションの中に自分も入り込んでいるような感覚です。
怖いというより、むしろ手を伸ばして触れたくなるほどの近さでした。

もちろん、実際には触りませんけどね。
回転するたび、別の表情が現れる


ねぶたが目の前で回転する面白さは、その迫力だけではありません。
一台のねぶたでも、表と裏では描かれている人物や場面が異なります。こちらを向いていた姿がくるりと回ると、それまで隠れていた別の表情が現れる。
まるで、一つのねぶたの中に二つの作品があるようでした。
昼間に止まっている状態でも両側を見ることはできますが、夜の街で光をまとったねぶたが回転し、別の面が突然現れる瞬間は、運行中だからこその面白さです。
龍が使われた作品も多く、それぞれの造形に迫力がありました。作品名を一台ずつ確認するというより、次々と現れるねぶた全体に圧倒されながら、夢中で写真や動画を撮っていました。
数か月待ってでも、現地で見られてよかった
途中で場所を変えながら、最後はねぶたが戻っていく場所の近くまで追いかけました。
運行を見届けたあとに感じたのは、シンプルに「来てよかった」ということです。
映像でも、ねぶたの色や形は見ることができます。
しかし、大太鼓が身体に響く感覚や、跳人たちの掛け声、巨大なねぶたが目の前で回転する距離感までは、画面越しでは伝わりません。
東北での仕事を延長し、数か月待って迎えた青森ねぶた祭。
その選択は間違っていなかったと思いました。
8月6日|車で五所川原の立佞武多へ
翌8月6日は、あおもり健康ランドをチェックアウトし、車で五所川原へ向かいました。
青森ねぶた、弘前ねぷたと並び、青森三大ねぶた祭の一つとされる五所川原立佞武多。
私は東北へ来るまで、立佞武多の存在自体を知りませんでした。
しかし、職場の人から、
「青森ねぶたと立佞武多は、両方見た方がいい」
と勧められ、絶対に見ておきたいと思っていました。
昼間の五所川原は、想像していたほど混雑していません。
駅周辺も街全体が大騒ぎになっている雰囲気ではなく、比較的ゆっくり歩けました。
夜になるにつれて人は増え、有料席もかなり埋まっていました。それでも青森市のねぶたほどの混雑ではなく、その分歩きやすかったのはよかったです。
格納庫から現れる姿は、出陣前のガンダム
大型の立佞武多は、高さ約23メートル、重さ約19トンにもなります。

掛け声は、
「ヤッテマレ! ヤッテマレ!」
実際に見て最初に感じたのは、やはり高さでした。
巨大な立佞武多が、屋根のある大きな建物の中に収まっています。
その姿は、格納庫で出陣を待つガンダムのようでした。

かなり格好いい。
建物の外へ出てくると、遠くからでも上の部分が見えます。間近で見るには、顔を大きく上へ向けなければなりません。
青森ねぶたが横へ大きく広がり、回転しながら迫ってくる迫力だとすれば、立佞武多は真上へ伸びる迫力です。
同じねぶたでも、圧倒される方向がまったく違いました。
近くから見ると、巨大な顔や上半身に対して、胴体と土台をつなぐ部分が意外なほど細く見えます。
もちろん、内部には頑丈な構造があるのでしょう。
それでも、あれだけ大きなものが細い部分の上に載っている姿を見ると、
「ポキッと折れないのかな」
と少し心配になりました。
青森ねぶたのように激しく回転するのではなく、立佞武多は巨大な身体を保ちながら、堂々とまっすぐ進んでいきます。
ただ進むだけでも、動かす側には相当な技術と労力が必要なはずです。
かつて姿を消した巨大な立佞武多を復活させ、再び街の中で運行できるようにした地元の人たち。その熱量も含めて、すごい祭りだと思いました。
CREATURE BREWINGでクラフトビールを飲み比べ
しばらく立佞武多を追いかけていると、少し疲れてきました。
そこで立ち寄ったのが、五所川原のクラフトビール店「CREATURE BREWING」です。
本当は外の席に座りたかったのですが、そちらは満席。店内は比較的空いていたので、カウンター席で4種類の飲み比べを注文しました。

店の方に聞くと、立佞武多の初日はかなり多くの人が訪れたそうです。私が行った日は、比較的空いている方とのことでした。
細かなビールの銘柄や味よりも、カウンターに並んだ4杯と、その向こうを立佞武多が進んでいく光景の方が記憶に残っています。
涼しい店内でビールを飲みながら祭りを眺めるのも悪くありません。
ただ、やはり祭りは外で見る方がいい。
音も掛け声も、身体で感じる迫力も違います。
そのうち雨が降り始め、次第にかなり強くなってきました。店に入っていたおかげで一時的には助かりましたが、いずれ外へ出なければならないので、結局は濡れます。
雨で祭り全体の勢いも、少し落ちてしまいました。

雨宿りで入った「旬処 夢元」が大当たり
雨の中、このまま帰るのも少し寂しい。
どこかで雨宿りをしながら、青森らしいものを食べられないかと歩いていると、「旬処 夢元」が目に入りました。
雨宿りも兼ねて、入ってみることにします。
事前に決めていた店ではありませんでしたが、結果的には、この旅でも特に印象に残る一軒になりました。
店内は混み合っていましたが、一人だったためカウンターへ入ることができました。周りには地元の常連客らしい人が多く、声をかけてもらって少し話もしました。
ふらりと入った店でしたが、これが大当たりです。
新鮮な刺身と、冷酒を2、3杯
まず注文したのは刺身の盛り合わせ。

写真を見ると、マグロ、サーモン、タコ、白身魚などが並んでいます。すべての魚種を正確に覚えているわけではありませんが、どれも新鮮でおいしかったことは覚えています。
銘柄は覚えていませんが、刺身をつまみながら、気づけば冷酒が2、3杯進んでいました。
祭りの途中から雨に降られましたが、カウンターで刺身と日本酒を楽しんでいると、それも悪くない旅の流れに思えてきます。
新鮮なホヤを食べて、ホヤファンになる
特に印象に残ったのが、生ホヤです。
食べやすく切られたホヤに、レモンとワサビが添えられていました。
ホヤは以前にも食べたことがあり、あまり得意ではないと思っていました。昔食べたものには、どこか歯磨き粉のような独特の印象があったんですよね。
ところが、この日の生ホヤはまったく違いました。
磯の香りはありますが、強すぎません。身には甘みがあり、シャキッとした食感も心地いい。

「新鮮なホヤは、こんなにおいしいのか」
この一皿で、すっかりホヤファンになりました。
自分の味覚が変わったのか、以前食べたものとの鮮度の違いなのか。その両方かもしれません。
いずれにしても、旅先で苦手だと思っていた食材の印象が変わるのは、うれしい出会いです。
じっくり待った、青森県産本マグロの原始焼き
もう一つの主役は、青森県産本マグロのカマを使った原始焼きでした。
注文すると、
「焼き上がるまで、かなり時間がかかります」
と言われます。
実際、出てくるまでだいぶ待ちました。
炭火のそばに立て、遠火でじっくりと焼かれた本マグロのカマ。表面には炭火の香ばしさがありながら、内部にはほどよく脂が残っています。
身もほぐれやすく、食べ応えも十分です。

大将から青森県産本マグロについて話を聞きながら、日本酒と一緒にいただきました。
この頃にはだいぶ出来上がっていましたが、本マグロの原始焼きが、待って食べる価値のある一皿だったことは、はっきり覚えています。
雨で立佞武多は少しトーンダウンしてしまいました。
しかし、その雨がなければ、この居酒屋へ入らなかったかもしれません。
店を出る頃には雨も止み、五所川原の夜を十分に楽しんだ気持ちになっていました。
8月7日|もう一度、青森ねぶたを見るため青森市へ
3日目は、青森三大ねぶた祭のもう一つ、弘前ねぷたへ行くことも考えました。
ただ、8月5日の夜ねぶたがあまりに印象的で、もう一度青森ねぶたを見たい気持ちが勝ち、再び青森市へ戻ることにしました。
結果的には、せっかくなら弘前ねぷたまで見て、三大ねぶたをすべて巡ってもよかったかなという気持ちも少し残っています。
とはいえ、そのときは、もう一度青森ねぶたを見たいと思った。それもまた、旅先で自分が選んだ正直な判断でした。
飲んだ翌朝にしみる煮干しラーメン
五所川原から青森市へ戻り、まず立ち寄ったのは、朝から営業している「丸正 滝本商店」です。
濃い色の煮干しスープに、チャーシュー、味玉、メンマ、ネギがのった一杯。
前日の夜に日本酒を飲んだこともあり、朝から食べる煮干しラーメンがしみます。

この頃には、すっかり煮干しラーメンにはまっていました。東北の旅では、その土地で食べるラーメンも楽しみの一つになっていたように思います。
青森県立美術館で、祭りとは違う青森文化に触れる
ラーメンを食べたあとは、青森県立美術館へ向かいました。
大きな「あおもり犬」を見て、棟方志功の作品などを鑑賞します。

2025年のこの時期には、棟方志功没後50年記念展「青森の子 世界のムナカタ」と、企画展「佐野ぬい:まだ見ぬ『青』を求めて」が開催されていました。
私は美術にものすごく詳しいわけではありません。
それでも、青森を代表する作家の作品を青森で見られたことには満足しました。
2日間、音と人と巨大なねぶたに囲まれていたので、美術館で静かに作品を見る時間は、祭りとは違う青森を感じられるひとときでもありました。
最終日の昼ねぶたへ
美術館を出たあとは、青森市内へ戻り、最終日の昼ねぶたを見ました。
先頭では、ミスねぶたの方々がオープンカーに乗って華やかに登場します。

この日は天気があまり良くなく、一部のねぶたには雨よけのカバーがかかっていました。
8月5日の夜ほど人は多くなく、審査を終えたあとのパレードという雰囲気です。
昼の自然光で見ると、ねぶた本来の色味や細かな造形はよく分かります。
一方で、内部の明かりによって浮かび上がる立体感はありません。
太鼓や掛け声はあっても、暗闇の中から巨大なものが迫ってくる夜の感覚とは違います。
昼と夜の両方を見たことで、私は夜ねぶたの魅力を改めて実感しました。
その一方で、昼ねぶたを見終えたあとには、弘前ねぷたへ行って三大ねぶたをすべて巡る選択もあったかな、と少しだけ思いました。
花火まで楽しむなら、最終日も魅力がある
8月7日の夜には、受賞したねぶたを含む大型ねぶたの海上運行と、青森花火大会が行われます。
海の上を進むねぶたと花火が、青森ねぶた祭のフィナーレを飾ります。
私は早めに帰りたかったため、花火までは見ませんでした。
そのため、自分が体験した昼ねぶただけで比べるなら、8月5日の夜ねぶたの方が印象に残っています。
ただし、花火が好きで、海上運行まで含めて楽しみたい人には、8月7日も魅力的でしょう。
時間が取れるなら、前日までに夜ねぶたを見て、最終日は昼の運行と花火まで楽しむ。そんな日程もよさそうです。
青森ねぶたと立佞武多、どちらがよかった?
青森ねぶたと五所川原立佞武多は、同じ「ねぶた」と呼ばれていても、迫力の方向がまったく違いました。
青森ねぶたは横へ大きく広がり、目の前で回転しながら迫ってきます。
内部から光る立体感、大太鼓、「ラッセーラ」の掛け声、跳人の動き。祭り全体の熱気に巻き込まれるような体験でした。
一方、五所川原立佞武多の魅力は、圧倒的な高さです。
巨大な山車を見上げる感覚は、青森ねぶたにはありません。格納庫から出てくる姿も含め、巨大な建造物が街の中を進んでいるようでした。
一度だけ選ぶなら、私は夜の青森ねぶたを選びます。
ただ、立佞武多を見なければ、ねぶたの迫力にはまったく違う形があることを知らないままでした。
五所川原ではクラフトビールを飲み、新鮮なホヤに驚き、本マグロの原始焼きを日本酒と一緒に味わいました。
祭りだけを比べれば青森ねぶたですが、旅全体の記憶としては、五所川原の雨の夜も負けていません。
これから青森ねぶた祭へ行く人へ
初めて青森ねぶた祭へ行くなら、個人的には夜の運行をおすすめします。
昼は色彩や細かな造形を見やすい一方、光、音、掛け声、跳人の熱気まで含めた迫力は、夜ならではのものでした。
有料席なら落ち着いて見られますが、立ち見には、場所を変えながらいろいろな角度で見られる魅力があります。体力に不安がなければ、ねぶたと一緒に移動しながら楽しむ方法も候補に入れてみてください。
ただし、座れる場所や観覧方法は年によって変わる可能性があります。最新の案内は、事前に公式サイトで確認した方が安心です。
青森ねぶたの動きと熱気に対し、立佞武多の魅力は圧倒的な高さです。青森市から移動できるなら、五所川原も旅程に入れて損はないと思います。
青森三大ねぶた祭を巡りたいなら、弘前ねぷたを含めた日程も事前に考えておいた方がいいでしょう。私はもう一度青森ねぶたを見たいと思い、3日目も青森市を選びましたが、弘前へ行かなかったことが少しだけ心残りになりました。
雨具も用意しておきたいところです。私が訪れた五所川原でも途中から強い雨になり、最終日の昼ねぶたには雨よけのカバーがかかっていました。

そして、宿はなるべく早めに確保すること。
ねぶた期間中の青森市内は、宿泊料金が高くなりやすく、空室も少なくなります。今回泊まったあおもり健康ランドはすでに閉館しているため、これから訪れる場合は、早めに宿を探した方がよさそうです。
祭りの合間には、煮干しラーメン、日本酒、刺身、生ホヤ、青森県産本マグロも楽しみました。
予定していた店だけでなく、雨宿りで偶然入った店が大当たりになることもあります。
旅は、少しくらい予定どおりに進まない方が面白いのかもしれません。
数か月待った青森の夏
東北での仕事を延長してまで待った、青森ねぶた祭。
実際に現地で見ると、テレビや写真で想像していた以上の迫力がありました。
身体に響く太鼓の音や、「ラッセーラ」の掛け声。暗くなった街の中で光りながら、目の前で回転していく巨大なねぶたは、やはり現地でなければ味わえません。
翌日は、高さ約23メートルの立佞武多を見上げ、雨宿りで入った居酒屋では、生ホヤや青森県産本マグロの原始焼きを日本酒と一緒に楽しみました。
雨も降りましたし、最終日の花火までは見ていません。弘前ねぷたにも行きませんでした。
それでも、この3日間があったからこそ、東北で夏まで過ごしてよかったと思えます。
一度だけ選ぶなら、私は夜の青森ねぶたを見ます。
ただ、時間に余裕があるなら、五所川原の立佞武多にも足を延ばしてみてください。そして日程が合うなら、弘前ねぷたまで含めて巡るのもいいと思います。
同じ青森のねぶたでも、そこで待っている迫力と景色は、それぞれまったく違うはずです。


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