東御市で3つのワイナリーを巡る旅|リュードヴァン・ヴィラデスト・アルカンヴィーニュ訪問記

長野県東御市に広がるブドウ畑の風景

2026年6月後半、台風が近づくなか、長野県へ向かいました。

今回の旅のきっかけは、松本市で開催される「信州ワインサミット」です。

以前からイベントの存在は知っていましたが、訪れるのは今回が初めて。ソムリエ資格の勉強をしていた頃から日本ワインに触れる機会はあったものの、実際に飲んできた種類は、それほど多くありません。

旅行先で購入した日本ワインや、全国的に知られているワイナリーのものを飲んだ経験はあります。ただ、長野県産のワインをまとめて飲み比べる機会は、ほとんどありませんでした。

信州ワインサミットが10周年を迎えると知り、さまざまな長野ワインを一度に楽しめるなら、ぜひ参加してみたい。

ただ、松本のイベントへ行くだけでは少しもったいない。

そこで思い浮かんだのが、長野県を代表するワイン産地の一つ、東御市でした。

ソムリエの勉強や日本ワインに関する書籍のなかで、何度も目にしてきた地名です。有名なワイナリーも多く、以前から訪れてみたいと思いながら、なかなか機会をつくれず……。

それなら今回は、信州ワインサミットへ向かう前に東御市で一日過ごし、気になっていたワイナリーを巡ってみよう。

選んだのは、リュードヴァン、ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー、アルカンヴィーニュの3軒です。

一日で無理なく回るなら、これくらいが限界だろうと考えました。

目次

台風の雨のなか、塩尻から東御市へ

前日の夜は、塩尻の道の駅で車中泊。

外は台風の影響による激しい雨でした。車の屋根をたたく雨音を聞きながら眠り、翌朝、東御市へ向かいます。

到着後は公園の駐車場に車を止め、車内でワールドカップの日本戦を観戦。ワイン産地まで来て最初にしたことが、まさかのサッカー観戦。

試合を見終えたあとは「あぐりの湯こもろ」へ。車中泊の疲れを流し、気持ちを整えてから、この日最初のワイナリーへ向かいました。

リュードヴァン|古いルノーが迎えてくれるワイナリー

リュードヴァン入口に展示されたクラシックルノー

最初に訪れたのは、リュードヴァンです。

敷地に入ると、かわいらしい建物と、昔のルノーが目に入りました。

オーナーが大の車好きだそうで、現在は動いていない古い車も、ワイナリーの風景の一部として置かれています。

私はフランスへ行ったことはありません。それでも建物や古いルノーを眺めていると、どこかフランスの田舎へ来たような気分に。

この日はあいにくの曇り空。ただ、ようやくワイナリーへ遊びに来られたという実感が湧き、店内へ入る前から期待が高まりました。

昼どきだったこともあり、店内では多くのお客さんがランチとリュードヴァンのワインを楽しんでいます。

今回は車なので、私は飲めません。

料理とワインを囲む人たちを少し羨ましく横目で眺めながら、次回はランチを予約し、料理との組み合わせまでゆっくり味わいたいと思いました。

試飲ができなくても、香りからワインを選ぶ

リュードヴァンで購入したピノ・ノワール2025

店内へ入ると、女性スタッフの方が素敵な笑顔で迎えてくださいました。

ワインを見せてほしいと伝えると、グラスで用意できるものや、ボトルで購入できる商品が書かれたリストを見ながら、一つずつ丁寧に案内してくれます。

飲めないことを伝えたところ、

「気になるものがあれば、飲めなくても香りだけ確認できますよ」

と言っていただきました。

ワインは口に含まなくても、香りから分かることがあります。ありがたく、気になったものを少量ずつグラスに注いでもらうことに。

最初に香りを確かめたのは、ソーヴィニヨン・ブランです。

以前読んだ日本ワインの本で、リュードヴァンが力を入れている品種の一つとして紹介されていたため、気になっていました。

柑橘系の香りに加え、ハーブを思わせる青いニュアンスもしっかりとあります。個人的には、どこかロワール地方のソーヴィニヨン・ブランを思わせる印象でした。

スタッフの方によると、オーナーはこのワインの特徴を、グレープフルーツの皮と果肉の間にある、白いワタのような部分の香りと表現しているそうです。

言われてみると、爽やかな柑橘だけではありません。ほのかな苦みまで想像させるようなニュアンスがあります。

次に香りを確かめたのは、メルロー主体にカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドした赤ワイン「デュロ・ヴィオレ 2024」。

香りには、少しピーマンを思わせる青さと、土のようなニュアンスがあります。メルロー主体だと知らなければ、カベルネ・フランやカルメネールを使ったワインを想像したかもしれません。

今回は飲んでいないため、味わいについては分かりません。あくまで香りからの印象ですが、ボルドー系品種をブレンドしたワインらしい個性がありました。

一週間ほど前に発売されたピノ・ノワール 2025

リュードヴァンのピノとグラス

特に印象に残ったのが、発売されたばかりだという「ピノ・ノワール 2025」です。

スタッフの方によれば、販売が始まったのは一週間ほど前。生産本数も限られているとのことでした。

グラスに注いでもらい香りを確かめると、非常にエレガント。樽由来と思われるニュアンスはありますが、果実の香りを覆い隠すほど強くありません。

新樽の香りが前面に出るタイプではなく、控えめな樽の使い方も自分の好みに合っています。

実際に飲むことはできませんでした。それでも香りからは、品質の高さと、これから変化していきそうなポテンシャルが伝わってきます。

私はもともとピノ・ノワールが好きです。

ただ、日本のワイナリーを訪れ、国産のピノ・ノワールを購入した経験はこれまでありませんでした。

さらに、2025年はこの地域のワインにとって出来のよい年だったとも聞きます。

「これは一期一会かもしれない」

そう思い、一本購入することにしました。

すぐに飲むのがよいのか、数年寝かせた方がよいのかを尋ねると、熟成させてから楽しむのもおすすめとのこと。

すぐに開けてしまう可能性もありますが、今のところはしばらく保管しておくつもりです。

ヴァン・ムスー用の原酒から生まれた「ピノ・ノワール クレール 2023」

もう一本購入したのが、「ピノ・ノワール クレール 2023」。

これは、ヴァン・ムスー(スパークリングワイン)用として仕込まれたピノ・ノワールの原酒を、特別にスティルワイン(発泡性のないワイン)としてボトリングしたものです。

毎年造られている商品ではなく、現在の在庫がなくなったあと、次にいつ同じようなワインが登場するかは分からないとのことでした。

その話を聞き、一気に興味を引かれます。

私のなかで日本のロゼワインには、比較的カジュアルに楽しむタイプが多い印象です。もちろん、それもロゼの大きな魅力。

ただ、クレール 2023は、そうしたロゼとは少し方向性が違いました。

ヴァン・ムスー用として仕込んだ原酒を使い、一本のスティルワインとして仕上げられています。価格も、赤のピノ・ノワールと同じ5,500円。

ロゼだから手頃に造ったというより、一つのワインとして、しっかり向き合って造られているように映ります。

世界全体を見れば、ピノ・ノワールを使ったロゼは珍しいものではありません。

しかし、私自身、日本産のピノ・ノワールを使った、これほど本格的なロゼに出会った経験はほとんどありませんでした。

2023年と2024年の赤のピノ・ノワールは、すでに完売。今回は2025年ヴィンテージの赤を選んだものの、「せっかくなら同じ品種のロゼも飲み比べてみたい」と思ってしまい、クレール 2023まで購入してしまいました。……完全に予算オーバー(笑)。

もともと私がロゼワイン好きであることも、決め手の一つです。

このクレール 2023は、後日、自宅でスシローのマグロと合わせて楽しみました。

詳しいペアリングについては、別の記事で紹介しています。

→ スシローの赤シャリとマグロを国産ロゼワインで楽しんだ記事

旅先で購入したワインが、別の日の食卓へつながっていく。

ワイナリーの風景やスタッフの方との会話まで思い出しながら飲めることも、現地でワインを選ぶ楽しさの一つです。

畑から感じた、ブドウ栽培への挑戦

リュードヴァンのブドウ畑

ワインを選んだあとは、畑も見せていただきました。

リュードヴァンでは、もともと荒れていた土地を耕し、現在もさまざまな品種を試験的に栽培しているそうです。

私の好きなリースリングは、まだ植えていないとのこと。

スタッフの方の話では、アルバリーニョの栽培にも挑戦しているそうです。ただ、この品種は鹿が好むらしく、新芽を食べられてしまうことも多いのだとか。

ブドウを育てるには、気候や土壌だけでなく、野生動物とも向き合わなければならない。実際に畑へ足を運んだからこそ聞けた話でした。

見せてもらった畑は、隅々まで丁寧に手入れされています。

さまざまな品種を植え、土地との相性を確かめながら、一本のワインへつなげていく。その積み重ねが、この畑にはあるのでしょう。

建物や古い車の雰囲気も印象的でしたが、畑を歩いたことで、リュードヴァンのワイン造りに対する姿勢を、より身近に感じられました。

ヴィラデスト|花とハーブに囲まれた丘の上のワイナリー

ヴィラデストの外観

続いて向かったのは、ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリーです。

東御市を代表するワイナリーの一つで、ここも以前から訪れてみたい場所でした。

ワイナリーは小高い丘の上にあります。

到着して最初に目に入るのは、花やハーブに囲まれたガーデン。園内で育てたハーブは、カフェで提供するハーブティーなどにも使われているそうです。

ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリーの庭園

建物へ入る前から植物の香りが漂い、急いで通り過ぎるよりも、ゆっくり歩きたくなる場所でした。

外観はおしゃれで、どこかおとぎ話に出てきそうな雰囲気。

花や植物に囲まれた庭と、個性的な建物。「ヴィラデスト ガーデンファーム」という名前が、そのまま目の前の風景になったようです。

豊富なワインと、ヴィラデストの世界観

店内に入り、まず驚いたのはワインのラインナップの多さでした。

価格帯も幅広く、3,000円前後の比較的手に取りやすいものから、1万円ほどの限定性が高いワインまで並んでいます。

品種や造り方にもさまざまな選択肢があり、一本を選ぶだけでも迷いそう。

少量のテイスティングからグラス、ボトルまで、楽しみ方もいろいろ。ここでも車だったため飲めませんでしたが、運転がなければ、いくつか飲み比べてみたかったところです。

ワイン以外には、シードルやブドウを原料とした蒸留酒も造られていました。

シードルはこの日、残念ながら売り切れ。ただ、ワインをあまり飲まない人にとっても、興味を持ちやすい商品だと思います。

蒸留酒には、シャルドネやナイアガラ、メルロー、ピノ・ノワールなどを原料にしたものがありました。

香りだけ確認させてもらうと、同じブドウでもワインとは違った表情が現れます。品種ごとの違いを比べられたのも、興味深い体験でした。

オリジナルグッズも豊富です。

単にワインを販売する場所ではなく、ヴィラデストという世界観そのものを楽しめる空間になっています。

ヴィラデストを始めたのは、エッセイストや画家としても知られる玉村豊男さん。

ワインだけでなく、庭、料理、器、建物まで、一つの雰囲気でまとめられていることも、この場所ならではの魅力です。

ブドウ畑を眺めながら、コーヒーとチーズケーキを

ヴィラデストカフェのコーヒーとベイクドチーズケーキ

今回はワインを購入せず、ヴィラデストカフェを利用することにしました。

ハーブティーにもひかれましたが、選んだのはヴィラデストのオリジナルブレンドコーヒーと、ベイクドチーズケーキです。

窓際の席に座ると、目の前にはブドウ畑が広がっていました。

畑を眺めながら飲むコーヒー。それだけで、普段の一杯より少し特別に感じられます。

コーヒーカップにはブドウのロゴが入り、水のグラスにもブドウをモチーフにしたデザインが施されていました。

料理や飲み物だけでなく、器まで含めて目で楽しめるのが、ヴィラデストらしいところです。

ヴィラデストの畑

この日は曇っていたため、ガーデンからの眺めを十分に楽しめたとは言えません。

それでも、花やハーブに囲まれ、ブドウ畑を眺めながら過ごす時間は、ワイナリー巡りの途中でひと息つくのにちょうどよいものでした。

次はぜひ、晴れた日に訪れてみたい場所です。

アルカンヴィーニュ|白い建物の「日本ワイン農業研究所」

アルカンヴィーニュの外観

ヴィラデストを出たあとは、アルカンヴィーニュへ向かいました。

車で数分ほどの距離にあり、ヴィラデストからさらに丘を上っていくと、白くシンプルな建物が見えてきます。

看板に書かれているのは、「日本ワイン農業研究所」という文字。

ワイナリーとしては、少し珍しい名前です。ただ、白い建物の外観を見ていると、確かに研究所のようにも映ります。

店内では、女性スタッフの方が対応してくださいました。

非常に上品な方で、ワインについて質問すると、一つひとつ丁寧に教えてくれます。こちらの興味に合わせて話を広げてくださるので、安心してワインを選ぶことができました。

アルカンヴィーニュの店内

2,000円台から選べる、手に取りやすい日本ワイン

アルカンヴィーニュのワインは、ヴィラデストほど種類が多いわけではありません。ただ、それぞれのラベルには、どこか共通した雰囲気があります。

価格を見ると、2,000円台から選べるものもありました。

日本ワインは、丁寧に造られたものほど、どうしても価格が高くなる印象があります。そのなかで、この価格帯から選択肢があるのは、初めて飲む人にも手に取りやすいのではないでしょうか。

私が最初に選んだのは、竜眼(りゅうがん)とシャルドネをブレンドした白ワインです。

竜眼は松本周辺の農家から、シャルドネは東御市や近隣地域のブドウ農家から仕入れているとのこと。

竜眼とシャルドネの組み合わせは、私にとってほとんど経験のないものでした。どのような味になるのか気になり、まず一本選びます。

もう一本は、シャルドネ単体のワイン。

樽熟成をしていないタイプだったため、土地の個性やシャルドネそのものの風味を、より素直に味わえるのではないかと考えました。

「最後の一本です」と紹介された2015年のスパークリング

アルカンヴィーニュで購入した3本

これで2本あれば十分だろうと思っていたところ、スタッフの方から声をかけられました。

「スパークリングワインも飲まれますか」

もちろん、スパークリングも好きです。

そう答えると、ワインの並ぶ棚から一本を紹介してくれました。

2015年ヴィンテージのスパークリングワインです。

セラーに残っていたものが見つかり、これが本当に最後の一本なのだとか。瓶内二次発酵で造られ、シャルドネやピノ・ノワールを使っていると説明を受けました。

さらに、価格は3,500円ほど。

10年近い熟成を経た瓶内二次発酵のスパークリングが、この価格でよいのだろうかと、正直驚きました。

棚に並んでいることには気づいていましたが、価格から瓶内二次発酵ではないだろうと思い込み、きちんと見ていなかったのです。

「最後の一本」と聞けば、やはり気持ちは動きます。ここで見送れば、次に出会える保証はありません。

ありがたく購入させてもらいました。……この日ばかりは、予算のことは忘れることにしました(笑)。

次には2016年ヴィンテージが控えているそうですが、そちらはまだ本数があるとのこと。

まずは最後の2015年を、どのタイミングで開けるか考えるのも楽しみです。

ワインを売るだけでなく、造り手を育てる場所

アルカンヴィーニュの醸造設備

アルカンヴィーニュが一般的なワイナリーと大きく違うのは、ワインを造って販売するだけの場所ではない点です。

ここでは、2015年に開校した「千曲川ワインアカデミー」が運営されています。

ブドウ栽培、ワイン醸造、ワイナリー経営まで体系的に学べる民間講座で、日本各地から、将来自分のワイナリーを立ち上げたい人たちが集まっているそうです。

北は北海道から、南は鹿児島まで。

日本各地に、これほど多くの「ワインを造りたい人」がいることに驚かされました。

ワイナリーを始めるには、畑だけでなく、醸造設備や瓶詰め設備にも多額の費用がかかります。

アルカンヴィーニュでは、自前の設備をまだ持っていない栽培家からの委託醸造も引き受けているとのこと。

なかには、当時近隣に利用できる設備がなかったため、岡山からトラックでブドウを運んできた人もいたと聞きました。

岡山から長野まで、生のブドウを運ぶ。

そこまでしてでも、自分が育てたブドウをワインにしたい。その話から、造り手の強い情熱が伝わってきます。

下の階にある醸造設備も見せていただきました。

ステンレスタンクが並び、その周囲には木樽も置かれています。シンプルでシックな販売スペースの下に、本格的な醸造の現場が広がっているとは、外から見ただけでは分かりません。

続いて、スクール生が使う教室も見せてもらいました。

窓の向こうには畑が見えます。こんな場所でワイン造りを学べたら面白そうだな――そんなことを思いながら、少し羨ましくなるような時間でした。

カウンターではテイスティングもできるとのこと。次に訪れる際は、ここで景色を楽しみながら、実際にワインを味わってみたいです。

【番外編】スタッフの方に教えてもらった「TOMI WINE CHAPEL」

TOMI WINE CHAPELの外観

アルカンヴィーニュを出る前、スタッフの方から、よかったら立ち寄ってみてはどうかと紹介された場所がありました。

「TOMI WINE CHAPEL(東御ワインチャペル)」です。

レストランとして営業しながら、周辺で造られたワインをボトルでも販売しているとのこと。

せっかく現地の方に教えていただいたので、予定にはありませんでしたが、足を運んでみることにしました。

建物は、その名前の通りチャペルを思わせる外観です。

十字架の代わりに大きく施されているのは、T字型のコルクのような意匠。

かわいらしさがありながら、やりすぎていません。ワインの店であることが自然に伝わる、センスのよい建物でした。

ボトルワインの展示スペースは、それほど広くありません。

ただ、東御市周辺や千曲川ワインバレー東地区のワインが並び、千曲川ワインアカデミーで学んだ造り手のワインも扱っていると聞き、地域とのつながりの深さを感じました。

予定していなかった場所だからこそ出会えた一本があります。

こうした寄り道も、旅の面白さです。

七夕に選んだ「Beyond the Milky Way」

ビヨンドワインとグラスのみ

せっかく立ち寄ったので、一本購入することにしました。

気になったのは、スターダスト・ヴィンヤードのワインです。

「星降る葡萄園」という名前の通り、星をモチーフにしたラベルが印象に残ります。

選んだのは、白ワインの「Beyond the Milky Way」。

日本語にすると、「天の川の向こうに」といった意味でしょうか。

このワインを選んだ理由の一つは、使われているブドウ品種の組み合わせが面白かったこと。

そして、もうすぐ7月だったことです。

7月7日といえば七夕。

天の川を名前に持つワインなら、七夕の頃に飲むのもよさそうだと思いました。

そして後日、友人の家で実際に開けることに。

香りは特徴的で、一言では表現しにくい個性があります。シュール・リー製法によるものなのか、澱と接触させたワインに感じるようなニュアンスもありました。

味わいはしっかりとしており、厚みも十分。それでいて余韻には爽快感があり、樽の香りが強く前に出るタイプではありません。

複数の品種が重なっているためか、これまであまり飲んだことのない味わいでした。

なぜ、この品種を組み合わせたのだろう。

造り手本人に、その意図を聞いてみたくなるワインです。

七夕が近いからという、少し単純な理由で選んだ一本でしたが、旅の思い出としても心に残るワインになりました。

3軒を巡って感じた、東御市のワインへの熱量

今回の旅では、リュードヴァン、ヴィラデスト、アルカンヴィーニュという、個性の異なる3つのワイナリーを巡りました。

リュードヴァンでは、香りを確かめながらワインを選び、畑ではさまざまな品種への挑戦にも触れることができたのです。

ヴィラデストで過ごしたのは、ワインだけに限らない時間です。庭やカフェ、器まで含めた一つの世界観のなかで、ブドウ畑を眺めながらひと休み。

アルカンヴィーニュでは、ワインを造るだけでなく、これから日本各地でワイナリーを始める人を育て、支える仕組みに触れました。

同じ東御市周辺にありながら、役割も雰囲気もまったく異なります。

今回の訪問を通して感じたのは、この地域には単にワイナリーが多いだけではない、ということでした。

ブドウを育てる人。

ワインを造る人。

これから造ろうと学んでいる人。

そして、地域のワインを販売し、飲み手へ届ける人。

多くの人が、それぞれの立場からワインに関わっています。

東御市を中心とした千曲川ワインバレー東地区には、数多くのワイナリーが点在。

今回訪れたのは、そのうちのわずか3軒です。

一日巡っただけでも、まだ見てみたい場所がいくつも残りました。

次は、現地でワインを飲める形で戻りたい

今回の反省点を一つ挙げるなら、やはり車で訪れたことです。

畑や建物を見るだけでも楽しめましたし、香りからワインを選ぶという経験もできました。

それでも、目の前にワインがあるのに飲めないのは、やはり少し残念です。

次回は宿泊場所や移動手段を考え、ワイナリーで実際に味わえる形で訪れたいところ。

8月には、小諸でキャンプをする予定です。その際には、今回立ち寄れなかった東御市のワイナリーや、小諸の造り手も訪ねてみようと考えています。

東御市へ行く前は、ソムリエの教本に出てくるワイン産地の一つ、という印象でした。

しかし実際に訪れてみると、そこには畑があり、造り手がいます。ワインを学ぶ人がいて、次の世代を支える仕組みまでありました。

旅に出てワインを知り、そのワインを後日、自宅や友人の家で開ける。

グラスに注がれた一本のワインから、その土地の景色や、人との会話までよみがえってくる。

それが、ワイナリーを巡る旅の面白さなのだと思います。

※営業時間や試飲の可否、販売ワインのラインナップは訪問時のものです。最新情報は各ワイナリーの公式サイトをご確認ください。

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